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久米 民和; 小林 信夫*; 奥 秋明*; 青木 章平
Agricultural and Biological Chemistry, 43(8), p.1625 - 1632, 1979/00
低粘度化を目的として線照射処理した澱粉に対する加熱溶解時のpHの効果について検討した。アミログラムおよびB型粘度計による冷却粘度測定の結果から、照射澱粉は糊化時のpHが高い程粘度低下が著しくなり、非照射試料との粘度差が大きいことが認められた。市販の酸化澱粉(味の素エスサンサイザー600)と同程度の低粘度澱粉を得るための必要線量は、pHを調整しない場合約7Mradであるのに対し、pH7.0では約5Mrad、pH11.0では約3Mradとなり、pHを高くすることにより必要線量を小さくすることが可能であった。一方、照射澱粉の溶解度はアルカリ側で顕著に増大した。また、溶解残渣について走査型電子顕微鏡で観察を行った結果、照射試料ではpHを高くすると粒表層部からの成分溶出が著しくなり、粒構造が崩壊しやすくなっていることが認められた。